ペットを画面いっぱいに撮影するには?〜焦点距離と画像の大きさのシミュレーション
とりあえず、気持ちが傾いているSony Cybershot DSC-HX100Vをベースにもう少し深堀。
1.基礎データ
Sony Cybershot DSC-HX100Vの35mm換算のスペック値は下になります。
焦点距離(W端)   27mm
焦点距離(T端)   810mm
DSC-HX100Vの30倍ズーム下での実写真の焦点距離プロパティ値: 144 mm
35mm換算の為のスケール値: = 810 / 144 = 5.625
撮像素子の実サイズ:
35mm 1/2.3型
36x24mm 6.2×4.6mm ちっちゃいですよね〜、一眼と次元が違う訳だ・・・
※最初は上記撮像素子サイズの比率で計算してみてたんですが、
 メモリ持込で試し撮りさせて貰った写真のプロパティに記録されてんじゃん、と気付きました。
縦比率、横比率で計算したスケール値が微妙に違うのでこのプロパティ値が一番正確かな?と。
2.基本想定とシミュレーション
うちのペットの天人鳥のくうちゃん、ひなちゃんを画面いっぱいに撮影したい。
まずは、計算式の組み立てです。
望遠(テレ)端での最短撮影距離が2000mmですので、まずはそれでどれ位の大きさになるのかな?と。
鳥の高さ: bh =
50 mm
θ 画角θ 素子サイズ: s = 4.6 mm
焦点距離:f = 144 mm
対象までの距離: d = 2000 mm
(1)下記の関係が成り立つはず(って間違えてたら誰か教えてください(^^;))
tan(θ/2)=(bh/2)/d
tan(θ/2)=(s/2)/f
(2)まずは、対象距離固定想定で縦画面一杯のくうちゃんになる為の焦点距離:fを求める式
(bh/2)/d =  (s/2)/f
f = (s/2) / ((bh/2)/d)
式が出来たので表を作って値を入れてシミュレートしてみましょう。
@ A B
撮像素子サイズ:s 4.6 4.6 4.6
35mm換算スケール 5.625 5.625 5.625
鳥の高さ: bh   50 50 50
対象までの距離: d 2000 2500 1565
焦点距離:f   184 230 143.98
焦点距離(35mm換算) 1035 1293.75 809.8875
@最短焦点距離2000mmだと・・・うわぁ・・・30倍ズームでは足りません(XX)
A最短焦点距離2500mmだと・・・当たり前ですね、もっと足りません(^^;)
B1565mmの対象距離で撮影すると画面一杯に収まるみたいですが・・・
(3)次に最大望遠固定で、対象までの距離:dを可変させた場合にどれ位までいけるかを求める式
s= 2*f*((bh/2)/d)
@ A B
撮像素子サイズ:s   4.6 4.6 4.6
35mm換算スケール   5.625 5.625 5.625
鳥の高さ: bh     50 50 50
対象までの距離: d   2000 2500 1565
焦点距離:f     144 144 144
撮像素子上の鳥のサイズ   3.6 2.88 4.600638978
撮像素子を撮りが満たす割合(%) 78% 63% 100%
@それでも8割近くはいけるのか・・・
Aまあ、これは当然ですね(^^;)
Bこれも当然と言えば当然ですね(^^;)
3.Cybershotのデジタルズームって2種類あるよね?
ズームモードに2種類(プレシジョンとスマート)があって、どうやら、スマートの方が、
有効画素数を落とす事でいわゆる光学ズームレベルでズームアップ出来る機能のようです。
最近はやりの超解像とは違うと理解しているんですが・・・
10M(4:3)にダウン時:37倍
5M(4:3)にダウン時:53倍
VGA(4:3)にダウン時(^^;):216倍
2M(16:9)にダウン時:72倍
※上の値は、カメラ実機で有効画素数を落としてズームしてみて表示された値を覚えていたもの。
イメージ的には、おいしく食べれる周りの肉を大胆に捨てて、更に内側のお肉だけを
ゴージャスに食べる、そんな感じでしょうか(^^;)
スマートズームの実現イメージが私の理解で間違ってなければ、
撮像素子サイズに掛けるスケール値を求めればいいんですよね?
今度は倍率を基礎値にして係数を求めればいいのかな?
倍率     30 37 53
有効画素数(カメラの設定値) 16M 10M 5M
実効撮像素子数
(=上の撮像素子サイズ)
4.6 3.72972973 2.111167772
この条件を加味して、上の方でやったようなシミュレーションを。
対象までの距離を2000mmに固定して、撮像素子サイズを変えてみます。
@ A B
撮像素子サイズ:s 4.6 3.73 2.1
35mm換算スケール 5.625 5.625 5.625
鳥の高さ: bh   50 50 50
対象までの距離: d 2000 2000 2000
焦点距離:f   184 149.2 84
焦点距離(35mm換算) 1035 839.25 472.5
なんかいい感じですね。
更にどれ位の画面占有率になるかというと・・・
@ A B
撮像素子サイズ:s   4.6 3.73 2.1
35mm換算スケール   5.625 5.625 5.625
鳥の高さ: bh     50 50 50
対象までの距離: d   2000 2000 2000
焦点距離:f     144 144 144
撮像素子上の鳥のサイズ   3.6 3.6 3.6
撮像素子を撮りが満たす割合(%) 78% 97% 171%
お〜、1000万画素レベルであれば、うちのくうちゃんが目一杯写せそうですね。
LUMIX
DMC-FZ150-Kは、光学24倍、iAズーム(高解像ズーム)で30倍相当、
そして、最短撮影距離は300mmですが、
家内カメラのNicon CoopPix S8200が光学14倍ズーム、デジタルズームで28倍で、
画面一杯にはならないので、計算は不要かな・・・と。
4.クローズアップレンズってもしかして使える?
色々調べている内に、クローズアップレンズというものの存在を知りました。
ってか、知ってはいたんだけど、収差が悪くなるんでしょ?って感じで気に留めていませんでした。
どうやら、クローズアップレンズについての理解を間違えていたようです。
あと漠然としたイメージで、ズーム鏡筒が伸びないカメラに付けられるものだとばかり思ってました。
↓なんかこんな感じでカメラ本体のズームレンズが動いてピントがあうみたいな・・・
色々調べると、どうやらこの理解は間違いだったようです。
もしかすると、撮影距離2000mmの不満が、デジタルズームを使わずに解消出来る代物なのでは?
固定焦点から光が平行になって出て行くので、基本的にカメラレンズとの距離は
極論すると関係ない。
クローズアップレンズ カメラ側
おおまかな焦点合わせはカメラ自体を動かして調整して、
微調整はカメラのフォーカスにまかせるみたいな感じ。
という事で、フィルタを付ける改造をしている人がたくさん居るようなので、
クローズアップレンズも一緒じゃね?
という事で、その方面をトライする方向で気持ちが固まってきた訳です。
クローズアップレンズはNo.1、No.2、・・・のように番号付きで販売されていますが、
この番号で、固定焦点距離が分かるようになっているようです。
(最初はメーカでの型番みたいなもんだろうと思ってました)
固定焦点距離 = 1m / Noの番号
ですので、
No 固定焦点距離(m)
1 1.00  
2 0.50  
3 0.33  
4 0.25  
5 0.20  
何番まで売ってるのかまでは確認してません。
クローズアップレンズは、両面にネジ切してあって重ね合わせがきくそうです。
なので、No.1とNo.2を重ね合わせて使うと、No.3が1枚と同じ機能になります。
固定焦点距離 = 1 / ( 1 + 2 ) = 1 / 3 という事ですね。
何か不思議な気がしますが、レンズの公式を使った説明を見るとなるほど・・・となります。
ただ、光量が落ちるので、2枚以上の重ねは推奨されてないみたいです。
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